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ディカプリオが『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で着用したセイコー ソーラーの類似モデル。


『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でマコノヒーが着用していたタイプのツートンのロレックス デイトジャスト。

 時計好きとして知られるジョナ・ヒルは、ドニー・アゾフ役を演じた。ドニー・アゾフは、白い歯が目立つ元子供用家具セールスマンで、ベルフォードのヴィンテージ・ジャガーと月7万ドルの給与明細を見て仕事を辞め、彼の元で働くことにする。多くの人がアゾフの時計をイエローゴールドのロレックス デイトナだと思ったようだが、グリフォンによればその人達は間違ったことになる。ハリウッド作品でよくあるように、アゾフの時計はレプリカなのだ。確かに残念だが、ちょっと目立ちたがり屋のキャラクターにはぴったりだ。


ジョナ・ヒルと、合法とはいえないデイトナ。Image Courtesy: Alamy

 時計の主な見どころは、間違いなくベルフォートの2本のゴールド(のような)ウォッチだ。彼は第2幕の大半で1本を、第3幕でもう1本を着用している。アゾフのデイトナのときもそうだが、ベルフォートの1本も誤認されているかもしれない。多くの時計マニアは、イエローゴールドのジュビリーブレスレットタイプのロレックス GMTマスターだと言っている。この推測は悪くはなかった。ディカプリオが当時、タグ・ホイヤーのアンバサダーを務めていたことを別にすれば。

 グリフォンの説明によると、ディカプリオはタグ・ホイヤーに電話をして映画用の時計を提供してもらうことができたという。「ある日、黒いタウンカーがやってきて、親切な女性が出てきて袋いっぱいの時計を手渡してくれました」とグリフォンは言う。ディカプリオはベルフォートを演じるにあたり、2本の時計を選んだ。1本目(GMTマスターに似たもの)は、ジュビリーブレスレットのタグ・ホイヤー 1000プロフェッショナルだった。例の高価なイエローゴールドウォッチによく似ているが、なんと金メッキが施されているのだ。タグ・ホイヤーのプロフェッショナルシリーズは、80年代後半から90年代前半にかけて、ロレックスの代わりになる手頃な時計たちを代表していた。誰もがサブマリーナーやGMTマスターを持っていたと思いたいところだが、みんなそうでない時計を身に着けていた可能性は高い。


初期のホイヤー プロフェッショナル1000(左)と『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でディカプリオが着用したタグ・ホイヤーのプロフェッショナル1000(右)。

 ベルフォートが本物ではなく金メッキの時計を持っていたとは、何とも不思議な話である。自称、週給100万ドル弱の彼なら、好きな時計を何でも買えたに違いない。しかしこの時計は、ベルフォートが金メッキの人間であったことを象徴していたのだ。


ディカプリオと、ダイヤモンドがちりばめられたタグ・ホイヤーのダイバーズ。Image Courtesy: Photo 12/Alamy

 グリフォンはディカプリオが選んだもう一つの時計を懐かしく思い出す。第3幕に登場する時計は18Kのタグ・ホイヤー 2000 WN5141で、ベゼルにはダイヤモンドがはめ込まれ、リューズにはサファイアが付いたものだ。グリフォンによると、これは(デイトナっぽいものとは違い)本物の金で、約4万ドルしたそうだ。この時計は90年代後半から2000年代前半にかけて、タグ・ホイヤーが高級路線を狙って発売したものだ。当時の試みは失敗し、今も忘れ去られたままとなっている。

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